データセット

J-OFURO3データセットについての公式情報をお届けします

概要

J-OFURO3の乱流熱フラックスデータの信頼性がJ-OFURO3と同時に開発されたQuality Checking System (QCS) を用いて現場ブイデータとの比較によって検証された。対象はV1.0の2002〜2013年の12年の期間, 日平均値の0.25度格子データである。QCSは、この期間において1年あたり平均100基以上の海面係留ブイによる約30万日分の現場日平均データが登録されている。ブイは様々な海域に分布するが、全体の比較から分かる特性としては、J-OFURO3の潜熱フラックス(LHF)はブイの観測と極めて似た平均・変動特性を示す。両者のバイアスは、1W/m2以下であり、標準偏差はほぼ同等の値であった。顕熱フラックス(SHF)についても比較的良い一致を示すが、J-OFURO3は、約2.5W/m2小さな値を示し、1W/m2程度、変動を大きめに見積もる傾向があった。ランダムな誤差の大きさを示すRMS誤差の値は、LHFについては29.1W/m2、SHFについては8.7W/m2で、これは標準偏差のそれぞれ48%と47%に対応する。両フラックスの値には特徴的な空間分布があり、その分布に誤差も依存する。LHFは中緯度域で平均値が大きく、標準偏差が大きい。またSHFも中高緯度で平均値と標準偏差が大きい。J-OFURO3は平均値と標準偏差が大きな緯度帯でRMS誤差が大きい傾向があった。

はじめに

J-OFURO3のデータは、J-OFURO3と同時に開発されたQuality Checking System (QCS) によってその信頼性が常に検証されています。QCSは、全球海洋上の様々な海域の海面係留ブイによる現場観測データをシステムに内包しています。そして、高解像度(10分もしくは1時間毎)の観測データから日平均値を計算し、その値を基準として、J-OFURO3の日平均, 0.25度格子の値と比較を行います。ここでは、主に乱流熱フラックスとそれに関連する物理変数についての検証結果を示します。

対象は、J-OFURO3 V1.0, 高解像度版(0.25度格子)日平均値の格子データで、期間は2002~20013年の12年間です。

比較統計値

全期間, 全ブイを対象とした比較統計値です。
変数と単位はこちらの変数リストを参照ください。

AVE_B: 平均値(ブイ)
AVE_G: 平均値(J-OFURO3)
STD_B: 標準偏差(ブイ)
STD_G: 標準偏差(標準偏差)
BIAS: バイアス(平均差, J-OFURO3-ブイ)
RMS: RMS差
CORR: 相関係数
NUM: 比較データ数

*CORR, NUM以外の統計値の単位は変数表による

VARLHFSHFQAQSTA10SSTWND
AVE_B114.8149.79416.04921.4825.04826.0966.529
AVE_G115.1447.26716.26421.4125.34526.0216.561
STD_B60.06118.4543.9694.9015.5635.3022.389
STD_G60.13119.7754.0174.8255.4195.2512.478
BIAS0.33-2.5270.215-0.070.297-0.0750.032
RMS29.1398.7151.1050.4330.9790.3490.873
CORR0.8820.8980.9620.9960.9840.9980.936
NUM296492296492296492296492296492299360299358

分散分布図

シンプルな分散分布による比較結果を示します。

X軸: BUOY
Y軸: J-OFURO3
色: データ密度(%): 100%はデータ密度の最大値(値はキャプションに表示), グレーは1%未満


LHF (MAX=4529)


SHF (MAX=38856)


QA (MAX=1892)

QS (MAX=4244)

TA10 (MAX=11683)


SST (MAX=22905)


WND (MAX=2018)


統計値の緯度分布


LHFとSHFの比較統計値についてもう少し詳しく見ます。
この図は、各ブイにおける比較統計値を緯度分布として示したものです。

横軸: 緯度(-30度〜60度)
縦軸: 上からデータ数, 平均値(ブイ), バイアス, RMS誤差, 相関係数


LHF


LHF, Latitude distribution of statistics


SHF


SHF, Latitude distribution of statistics